カルダモンだもん

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セムラ(Semla)

セムラ(Semla)
セムラ(Semla)

カルダモンロールの本場といえばスウェーデンですが、スウェーデンにはカルダモンロールのほかにもカルダモンが効いた有名なお菓子があります。それが「セムラ(semla、複数:semlor)」です。セムラは、カルダモン入りのパンを二つに割り、その間にホイップクリームとアーモンドペーストをはさんだお菓子です。スウェーデンのセムラはフィンランドにも伝わり、フィンランドでは「ラスキアイスプッラ(Laskiaispulla)」と呼ばれています。

フィンランド語の「ラスキアイスプッラ」=「告解のパン」の名が示すように、本来はイースター前の四旬節(食事が制限されるいわゆる断食期間)が始まる「灰の水曜日」の前日、「告解の火曜日」に食べるお菓子でした。「告解の火曜日」は悔い改めの日であると同時に、四旬節に入る前に最後のご馳走を食べ祝う日でもありました。セムラについても、四旬節前にカロリーたっぷりの甘いお菓子を食べる習慣として始まったと言われています(伝統的には四旬節中、肉だけでなく卵や乳製品の摂取も禁止されます)。

このような歴史的経緯からスウェーデンでは、「告解の火曜日」が「セムラの日」とされています。告解の火曜日は移動祝日であるイースターの日付に連動して決まるためセムラの日も毎年異なります。2024年は2月13日、2025年は3月4日がセムラの日になります。(以降、2026年は2月17日、2027年は2月9日、2028年は2月29日、2029年は2月13日…)

このセムラ、季節のお菓子であるため夏にスウェーデンに行ってもまずお目にかかることがありません。現在では、年明けからイースターまでがセムラのシーズンとされ、クリスマス後からスウェーデン中のベーカリー・ケーキ店にセムラが並びはじめます。

セムラ(Semla)
年末からセムラが売り出されます

スウェーデンのセムラは、ホイップクリームとアーモンドペーストがカルダモン入りのパンでサンドされています。一般的には、上から1/4くらいの位置でパンをカットし、下のパンの中をくりぬいてアーモンドペーストを入れます。更に、その上にホイップクリームをたっぷり乗せ、最後にカットした上のパンをかぶせ、粉砂糖を振りかけて完成となります。

セムラ(Semla)
店頭に並べられたセムラ

セムラのシーズンにスウェーデンに行くことがあまりないため、スウェーデンでは1度しか食べていないのですが、一口食べると口の中にカルダモンの香りがふわっと広がります。クリームと甘いアーモンドペーストとの相性も気に入りました。日本でもたまにセムラを目にしますが、カルダモンがしっかり香るものにはまだ出会ったことがありません。年末年始からイースターにかけスウェーデンに行くことがあればぜひ本場のセムラを試してみてください。