カルダモンだもん

Cardamom - damon

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カルダモンについて

6.カルダモンの生産と加工

(1) 生産と貿易

重量あたりで比較すると、カルダモンはサフランとバニラに次いで3番目に高価なスパイスです。カルダモンは一般的に莢を含んだホールの形で国際的に取引されますが、種子のみで取引されることもあります。19世紀まで、世界のカルダモンの供給はインドの西ガーツ山脈にあるカルダモンヒルズの野生群に頼っていました。グアテマラがカルダモンの最大の生産国および輸出国となった1980年頃まで、インドはカルダモンの世界最大の生産国でした。カルダモンは、スリランカ、パプアニューギニア、タンザニアでも栽培されています。カルダモンの主な消費国は、紅茶やコーヒーにカルダモンを加える中東諸国や、焼き菓子・パンの香り付けに使用するスカンジナビア諸国です。

(2) 商業栽培

カルダモンは栄養繁殖 [種子を経ない繁殖] または種子繁殖によって栽培されます。栄養繁殖では、大きな塊の根茎を小片に分割し、それを土壌に準備された穴に植えます。この方法は種子繁殖として植えられたものよりも早く果実を収穫することができますが、繁殖用の根茎の流通は限られているため、農家は安定して入手することができません。そのため、大規模栽培では 専用の苗床に種を蒔くのが一般的です。カルダモンの種子は7~10日間しか生存できないため、採集後すぐに播種されます。苗が1~2年生になると、日陰をつくる木がある畑に植えられます。カルダモンの畑は、お茶、ビンロウ椰子、黒胡椒などの間に挟まれることがよくあります。

(3) 収穫

果実は約3年目から収穫されます。果実は長期間かけて熟し、熟したもの [ただし莢がはじける前のもの] から3~5週間ごとに収穫されます。収穫時の果実はまだ緑色です。しかし、果実の中の種子は白から茶色または黒色に変わります。収穫後、果実は洗浄され、茎は切り取られます。乾燥には目的に応じ、いくつかの方法がとられます。果実全体のホール形状のものは通常、緑色を保持するため、煙道養生として知られている特別な養生室で乾燥されます。漂白カルダモンに仕上げる場合は、天日乾燥され、そして硫黄煙中で漂白されます。大企業の中には、乾燥時間を短縮するために最新のトレイ式またはトンネル式乾燥機を使用する工場もあります。わら色のホールカルダモンはすべて天日乾燥されたものです。時には、果実から種子だけをとりだして販売されることもあります。

(4) カルダモン油

カルダモン油は砕いた果実から商業的に生産されています。カルダモン油は、加工食品・冷凍食品、調味料、ゼラチンおよび飲料など広い範囲において、スパイスの代わりとして使用されます。カルダモン油、タバコの香料、化粧品、石鹸、ローションおよび香水にもしばしば使用されています。オレオレジン [アルコールでエキスを溶かしだしたあとアルコール成分を取り除いたもの] も、カルダモン油の代用品として同様の製品に使用されます。


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本コンテンツは、Kew Species Profiles を著作者とする「Elettaria cardamomum (L.) Maton」(2018年12月25日閲覧)をAttribution - Non Commercial- Share Alike 3.0 (CC BY-NC-SA 3.0) のライセンスに基づき、管理人が和訳・掲載したものです。文章中、[]内は管理人による注釈を示します。

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